モバイルファーストという言葉をご存知ですか?WEBデザインや開発する際のアプローチの一つで、近年のWEBサイト制作における重要なポイントになっています。
しかし、「モバイルファーストって聞いたことあるけど、実際には何をやればいいの?」って思った方もいると思います。
そこで今回は、モバイルファーストについての解説と、メリットデメリット、そしてモバイルファーストなウェブサイトを制作する際のポイントを紹介します。
目次
モバイルファーストとは?
モバイルファースト(Mobile First)とは、ウェブデザインや開発する際のアプローチの一つです。”ユーザーがスマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスを利用してウェブサイトにアクセスする”、ということを最優先に考えて”ウェブサイトを制作する”という考え方です。
そうすることで、スマホユーザーからのアクセスだけでなく、コンバージョンも得やすくなる傾向があります。
その理由はユーザーエクスペリエンス(ユーザー体験)が向上するからです。
モバイルファーストでユーザーエクスペリエンスが良くなる理由
そもそも、モバイルファーストの考え方が注目を浴びるようになったのは、モバイルデバイスの普及と共にです。
スマートフォンやタブレットの技術革新により、ユーザーはいつでもどこでもウェブにアクセスできるようになりました。
ちょっとした空き時間があれば、すぐにスマホを手に取って何かする人ってかなり多いですよね?これ、ノートパソコンではできないことです。
ノートパソコンは最低限椅子がなければ、操作できないですし、それなりの大きさなので、移動中の赤信号の間に「ちょっとチェックしよう」とはできないですよね?
ですが、スマートフォンならそれができてしまう。だから、そんなスマホユーザーが快適に読めるウェブサイト(モバイルファーストなウェブサイト)にすることで、ユーザーエクスペリエンスが向上し、最終的なコンバージョンUPにも影響する傾向があるのです。
モバイルユーザーはコンバージョンしやすい!?
じつは、モバイルユーザーとデスクトップユーザーのコンバージョン率には、いくつかの違いが存在します。
以下に、それぞれの特徴と影響要因について説明します。
モバイルユーザーの特徴とコンバージョン率
利便性の重視
モバイルデバイスは持ち運びができ、いつでもどこでも利用することができます。
そのため、モバイルユーザーは利便性を重視し、スムーズな操作や短時間でのタスク完了を求める傾向があります。
ユーザーフレンドリーなモバイルサイトやアプリは、モバイルユーザーのコンバージョン率を向上させる要因となります。
ショッピングの傾向
モバイルデバイスはオンラインショッピングにおいて重要な役割を果たしています。
モバイルユーザーは、移動中や空いた時間に商品を検索し、購入することがあります。
したがってユーザビリティが高く、シームレスなショッピング体験を提供するモバイルサイトは、モバイルユーザーのコンバージョン率を向上させる要素となります。
デバイスの制約
モバイルデバイスは画面サイズや入力方法に制約があります。
情報の見やすさや入力の簡便さがモバイルユーザーのコンバージョン率に直結します。
レスポンシブデザインやモバイル最適化されたフォームなど、デバイスの制約に合わせたデザインと機能が重要です。
デスクトップユーザーの特徴とコンバージョン率
大画面の利点
デスクトップユーザーは大画面でウェブサイトを閲覧することができます。
多くの情報を一度に表示できるため、詳細な製品情報や比較機能などを提供することができます。
デスクトップユーザーのコンバージョン率を向上させるためには、情報の充実や直感的なナビゲーションが重要です。
作業環境の影響
デスクトップ環境では、通常は作業や調査などの目的でウェブを利用することが多いです。
ユーザーは時間をかけて情報を収集し、検討した上での行動に移る傾向があります。
デスクトップユーザーのコンバージョン率を向上させるためには、信頼性の高い情報や詳細な資料など、充実したコンテンツが重要です。
ユーザー行動の違い
デスクトップユーザーはモバイルユーザーと比較して、長時間ウェブサイトに滞在する傾向があります。
ユーザーは複数のページを閲覧し、比較検討を行った上での決断を下すことが多いです。
デスクトップユーザーのコンバージョン率を向上させるためには、ユーザビリティの高いナビゲーションや関連コンテンツの提供が重要です。
ターゲットが利用する端末は何?
モバイルユーザーとデスクトップユーザーのコンバージョン率は、それぞれの利用環境や行動パターンに影響を受けます。
ウェブデザインやコンテンツ戦略は、モバイルユーザーとデスクトップユーザーの両方を考慮し、最適な体験を提供することが重要です。
しかしながら、コンバージョンを向上させたいのであれば、主にターゲットが利用するデバイスに最適化したウェブデザインにすることが理想です。
モバイルファーストインデックスとは?
モバイルファーストという考え方が注目されるようになったのは、モバイルファーストインデックスが原因です。
モバイルファーストインデックスとは、Googleがウェブページのランキングを決定する際に、モバイルバージョンのコンテンツを優先的に評価するというアルゴリズムのことを指します。
従来の方法ではデスクトップバージョンのコンテンツを基準にしていましたが、現在のモバイルファーストインデックスでは、モバイルデバイスでのユーザーエクスペリエンスが重視されます。
つまり、モバイルデバイスでアクセスされた時のWEBサイト(Webデザイン)が、評価基準(SEO)になるということです。
モバイルファーストインデックスに対応しよう
以下に、モバイルファーストインデックスの重要性とその詳細について説明します。
背景にはモバイルトラフィックの増加
近年、モバイルデバイスからのウェブトラフィックは急増しています。
ユーザーの利便性や移動中の利用などの要因から、モバイルデバイスを介してウェブにアクセスするユーザーが増加しているため、Googleはモバイルファーストインデックスに移行したと考えられます。
モバイルフレンドリーなデザインにする
モバイルファーストインデックスでは、モバイルフレンドリーなデザインが重要視されます。
これは、モバイルデバイスの画面サイズや操作性に適したデザインを採用することを意味します。
レスポンシブデザインやタッチ操作の最適化、読みやすいフォントサイズなど、ユーザーがスムーズにウェブサイトを閲覧できる環境を提供する必要があります。
パフォーマンスと読み込み速度の最適化
モバイルファーストインデックスでは、ウェブページのパフォーマンスと読み込み速度も重要な要素となります。
モバイルユーザーは通常、データ通信やWi-Fi環境などの制約に直面するため、高速な読み込み速度が求められます。
画像やコードの最適化、キャッシュの活用、モバイルネットワークの特性に配慮した設計など、パフォーマンスの最適化が必要です。
モバイルUXの向上
モバイルファーストインデックスは、ユーザーエクスペリエンス(UX)の向上も目指します。
モバイルデバイスの操作性や利便性に合わせたナビゲーション、適切なコンテンツの整理、視認性の高いボタンやリンクなど、ユーザーが快適にウェブサイトを利用できる環境を提供する必要があります。
今後、モバイルファーストインデックスは、SEO対策において重要な要素となりました。
モバイルフレンドリーなデザイン、パフォーマンスの最適化、ユーザーエクスペリエンスの向上など、モバイルユーザーのニーズに合わせたウェブサイトの構築が求められます。
モバイルファーストなウェブサイトの考え方
モバイルファーストのウェブサイトを考える(設計する)際には、モバイルデバイスを優先したウェブデザインにする必要があります。
従来のデスクトップ向けのウェブデザインでは、大画面やマウス操作を前提としたデザインが主流でした。しかし、モバイルファーストで考えると、その方法は採用できません。
なぜなら、モバイルファーストの場合は画面の小ささやタッチ操作など、モバイルデバイスに特化したデザインが求められるからです。
モバイルファーストを考える3つのポイント
モバイルファーストのウェブサイトを制作する際には、以下の点に重点を置いています。
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レスポンシブデザイン: 画面サイズや解像度に合わせて自動的にレイアウトが切り替わるレスポンシブデザインを採用します。これにより、ユーザーはモバイルデバイスでも快適にウェブサイトを閲覧することができます。
- ユーザビリティの最適化: モバイルデバイスでは操作性やナビゲーションが重要です。画面の小ささや指でのタッチ操作を考慮し、シンプルで使いやすいデザインを追求します。
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高速なパフォーマンス: モバイルユーザーは高速なページ読み込みを求めます。画像の最適化、キャッシュの活用、モバイルデバイス向けの軽量なコードなど、パフォーマンスを最適化する取り組みが重要です。
正直にいうと、紹介した3つはデスクトップ向けのWEBサイトを制作する際にも考慮しなくてはならない重要なものです。
強いていうなら、「2.ユーザビリティの最適化」の部分で、特に気を付ける必要があるくらいです。
しかし、それでは、「結局、モバイルファーストなサイトってどうすればいいの?」についての回答にはならないと思うので、参考までに、デスクトップ向けのWEBデザインとモバイルデバイス向けのWEBデザインの違いについて紹介します。
モバイルファーストデザインの作り方
モバイルファーストなウェブサイトを作る際には、ユーザビリティを考慮したデザインにすることがポイントです。
ユーザーがスマートフォンやタブレットでウェブサイトを閲覧する際に、スムーズかつ直感的に操作できることが求められるからです。
そのためには、以下のポイントに留意しましょう。
シンプルなデザイン
ウェブサイトのデザインはシンプルでありながら、情報の階層構造を明確に示す必要があります。
シンプルなデザインは、ユーザーにとって見やすく分かりやすい環境を提供します。反対に過剰な装飾や複雑なレイアウトは、ユーザーに混乱を与える可能性があります。
シンプルなデザインでは、必要な情報を的確に伝えるために不要な要素を排除し、視覚的に整理されたデザインを採用しましょう。
ナビゲーションの使いやすさ
モバイルデバイスでは画面のスペースが制限されているため、ナビゲーションメニューをシンプルかつ使いやすく設計する必要があります。
メニュー項目を短く明確にし、適切なメニュー構造、わかりやすいラベル、明確なボタンなどを設けるなど、ユーザーが迷わずに必要な情報へのアクセスが容易になるように工夫しましょう。
読みやすいコンテンツ
読みやすいコンテンツは、ユーザーにとって情報を効果的に伝えるための重要な要素です。
モバイルデバイスの小さな画面では、テキストが読みにくくなることがあります。
ですから適切なフォントサイズ、行間、カラーリングを使用し、テキストの視認性を高めましょう。
また、短い段落や箇条書きを活用することで、情報を整理し理解しやすくします。
さらに適切な見出しや強調表示を使用することで、ユーザーが重要な情報を素早く把握できるようにしましょう。
これらの要素は、ユーザーエクスペリエンスを向上させるだけでなく、SEOにも影響を与えます。
シンプルなデザインや使いやすいナビゲーションは、ウェブサイトの閲覧性と滞在時間を向上させ、検索エンジンの評価にもプラスの影響を与えることがあります。
また、読みやすいコンテンツは、ユーザーがコンテンツを共有しやすくするため、ソーシャルシェアやバックリンクの獲得にも役立ちます。
3つのポイントを押さえたモバイルファーストなデザインのウェブサイトを作りましょう。
モバイル向けデザインとデスクトップ向けデザインの違い
デスクトップ向けのWEBデザインと、モバイルデバイスを優先したウェブデザインとでは、異なるアプローチを取るため、違いもでてきます。
ここではそれぞれの違いに加えて、メリットとデメリットについても紹介します。
デスクトップ向けのWEBデザインの特徴
デスクトップ向けのWEBデザインは、従来から主流とされてきたデザインのアプローチです。
大画面やマウス操作を前提に、豊富な情報や複雑なレイアウトを実現することが特徴です。
デスクトップ向けウェブデザインのメリット
- 情報の充実: デスクトップ画面の広さを活かし、多くの情報やコンテンツを一度に表示することができます。ユーザーにとって、情報の一括表示は便利であり、情報の比較や総合的な理解がしやすくなります。
- 豊富なインタラクション: マウス操作による複雑なインタラクションやホバーエフェクトなど、豊富なデスクトップ環境での操作が可能です。ユーザーは直感的な操作性を享受し、高度な機能や動作を体験することができます。
デスクトップ向けウェブデザインのデメリット
- モバイルデバイスへの非対応: デスクトップ向けのデザインは、モバイルデバイスの画面サイズやタッチ操作に適応していません。モバイルデバイスでの閲覧時には、情報の過剰や操作の不便さが生じる可能性があります。(レスポンシブデザインの場合は別です。)
- パフォーマンスの低下: デスクトップ向けのデザインでは、大量のコンテンツや画像が含まれることがあります。そのため、モバイルデバイスの読み込み速度が低下し、ユーザー体験が悪化する可能性があります。
モバイルデバイスを優先したウェブデザインの特徴
モバイルデバイスを優先したウェブデザインでは、モバイルファーストの考え方を取り入れています。
画面の小ささやタッチ操作を前提に、シンプルで使いやすいデザインを追求します。
モバイルデバイス向けWEBデザインのメリット
- ユーザビリティの向上: モバイルデバイスでは操作性やナビゲーションが重要です。モバイルデバイスを優先したデザインでは、シンプルなインターフェースや簡潔なナビゲーションが実現され、ユーザーはスムーズな操作と快適な体験を得ることができます。
- 高速なパフォーマンス: モバイルデバイスではページの読み込み速度が重要です。モバイルデバイスを優先したデザインでは、画像の最適化やコードの軽量化などの工夫が行われ、高速なパフォーマンスが実現されます。
モバイルデバイス向けWEBデザインのデメリット
- 情報の制約: モバイルデバイスの画面サイズの制約から、デスクトップ向けのデザインと比べて表示できる情報量が制限されることがあります。必要な情報を適切に絞り込む必要があります。
- デスクトップ環境での機能制約: モバイルデバイスを優先したデザインでは、デスクトップ環境での一部の高度な機能やインタラクションが制約されることがあります。
専用デザインは一長一短がある
紹介したように、”デスクトップ向け”か”モバイルデバイス向け”のどちらかを優先したウェブデザインは、それぞれ異なるアプローチを取ります。
デスクトップ向けのデザインでは情報の充実や豊富なインタラクションが可能ですが、モバイルデバイスへの非対応やパフォーマンスの低下がデメリットとして挙げられます。
一方、モバイルデバイスを優先したデザインでは、ユーザビリティの向上や高速なパフォーマンスがメリットとなりますが、情報の制約やデスクトップ環境での機能制約が考慮すべき点です。
ウェブデザインの選択は、ターゲットユーザーのニーズやウェブサイトの目的に合わせて検討する必要があります。
レスポンシブデザインが王道
現在においては、デスクトップ向けウェブデザインを採用しているケースも多いですし、モバイルファーストなデザインのホームページも増えてきています。
ですが、一番多いのは、デスクトップ・タブレット・スマートフォンといったあらゆるデバイスからアクセスされても最適化してWEBサイトを表示させる、レスポンシブデザインが採用されたウェブサイトです。
ユーザビリティとパフォーマンスの両立を目指すという意味では、ちょうどいい落とし所だからですね。(コスパもいいです)
まとめ
モバイルファーストなデザインのウェブサイトを制作する際には、シンプルかつ使いやすいデザインを採用し、ユーザーが快適にウェブサイトを利用できる環境を提供しましょう。
また、高品質なコンテンツを提供することでSEOの評価も高くなるので、、検索エンジンでのランキング向上を目指し、集客からのコンバージョンを獲得する流れを加速させましょう。